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屋上防水工事の工法一覧(アスファルト・ウレタン塗膜・改修工法)

屋上防水工事の工法一覧(アスファルト・ウレタン塗膜・改修工法)

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「うちのマンションにはどの工法が向いているか」は専門家の判断が必要ですが、まずは工法ごとの一般的な特徴を同じ軸で並べて理解しておくと、見積もりや提案の内容を読みやすくなります。

屋上防水の見積もりや提案書には、聞き慣れない工法名がいくつも並びます。この記事では、主な工法の一般的な特徴を同じ軸で整理し、公共工事の積算基準にあるアスファルト防水の歩掛り(人工)データもあわせて紹介します。

屋上防水の主な工法は4つ

屋上・陸屋根の防水工事で使われる工法は、大きく4つに分けられます。

工法主な下地・使用場所一般的な特徴
アスファルト防水屋上・陸屋根アスファルトを積層する工法。密着工法・絶縁工法など下地との取り合いで種類が分かれ、公共工事の積算基準に歩掛りが定められている
ウレタン塗膜防水屋上・ベランダ・共用廊下液状の材料を塗り重ねて防水層をつくる工法。複雑な形状の場所にも施工しやすいとされる
シート防水(塩化ビニル系等)屋上・陸屋根工場で製造したシートを下地に貼る工法。仕上がりの厚みが均一になりやすいとされる
FRP防水ベランダ・バルコニー等の小面積ガラス繊維強化プラスチックを使う工法。硬化が速く、小面積の施工に使われることが多いとされる

どの工法が優れているという単純な優劣はありません。下地の状態・建物の形状・過去の修繕履歴によって、向き不向きが変わります。

アスファルト防水の内訳(密着工法・絶縁工法・断熱工法)

アスファルト防水はさらに、下地とどう取り合うかで密着工法・絶縁工法などに分かれます。「密着」は下地に防水層を直接密着させる方法、「絶縁」は下地と防水層の間に部分的な絶縁層を設ける方法で、下地の動き(ひび割れ等)の影響を防水層が受けにくくする考え方です。

公共工事設計労務単価では、防水工の職種そのものが次のように定義されています。

防水工事について相当程度の技能を有し、アスファルト、シート、セメント系材料、塗膜、シーリング材等による……防水作業について主体的業務を行うもの

出典国土交通省 公共工事設計労務単価職種定義「38 防水工」

この定義からもわかるとおり、シーリング作業も防水工の業務範囲に含まれており、「シーリング工」という単価は別に存在しません。

施工の手間(歩掛り)は工法・部位で変わる(公共積算基準データ)

公共建築工事積算研究会の参考歩掛り(第2編 建築工事 第9節 防水)には、アスファルト防水の代表的な仕様について、防水工が1㎡あたりに要する人数(人工)が定められています。平面と、パラペットの側面などにあたる立上り・立下り面を比べると、次のような違いがあります。

工法(表番号)仕様防水工の所要人数
屋根保護防水密着工法(RA-9-1)平面0.081人/㎡
屋根保護防水密着工法(RA-9-1)立上り・立下り面0.130人/㎡
屋根保護防水絶縁工法(RA-9-3)平面0.091人/㎡
屋根保護防水絶縁工法(RA-9-3)立上り・立下り面0.130人/㎡
屋根露出防水絶縁工法(RA-9-5)平面0.087人/㎡
屋根露出防水絶縁工法(RA-9-5)立上り・立下り面0.130人/㎡

出典公共建築工事積算研究会「参考歩掛り」第2編 建築工事 第9節 防水(RA-9-1・RA-9-3・RA-9-5の代表仕様、PDF 30〜32ページ)

いずれの工法も、立上り・立下り面は平面より防水工の所要人数が多くなる傾向があります。狭い場所での作業になりやすいことが背景と考えられます。この歩掛りと、防水工の公共工事設計労務単価データベースの単価を組み合わせて計算したものが、防水工事の労務費 積算カリキュレータです。見積書の労務費部分を確認する際の目安として使えます。

ウレタン防水・シート防水・FRP防水の歩掛りは今回のデータに含まれない

正直に書くと、今回参照した公共建築工事積算研究会の資料(第9節 防水)に収録されているのはアスファルト系防水(密着・絶縁工法等)とシーリングのみです。ウレタン塗膜防水・シート防水・FRP防水の歩掛りは同資料の該当箇所に記載がないため、この記事では数値を示していません。これらの工法の労務費の内訳を確認したい場合は、施工会社に直接、内訳の提示を求める形になります。

工法を選ぶのは専門家の役割

ここまでの比較は、あくまで一般的な特徴の整理です。「この建物にはこの工法が向いている」という判断は、下地の状態・過去の修繕履歴・建物の形状を踏まえた専門家(建築士・診断業者)の仕事です。この記事の内容だけで工法を決めることは避け、複数の提案を比較する際の予備知識として使ってください。見積書そのものの読み方はマンションの屋上防水の見積書・金額の見方で扱っています。

よくある質問

この中でどの工法が一番良いですか。

この記事だけでは判定できません。どの工法が向いているかは、下地の状態・過去の修繕履歴・建物の形状によって変わり、専門家(建築士・診断業者)の現地調査を踏まえた判断が必要です。

密着工法と絶縁工法はどちらが優れていますか。

優劣ではなく、下地の状態に応じた使い分けです。絶縁工法は下地と防水層の間に部分的な絶縁層を設け、下地の動きの影響を防水層が受けにくくする考え方です。どちらが適するかは下地診断の結果によります。

ウレタン防水・シート防水の歩掛りデータはなぜ載っていないのですか。

今回参照した公共建築工事積算研究会の資料(第9節 防水)に、アスファルト系防水とシーリング以外の歩掛りが収録されていないためです。存在しない数値を推定で埋めることはしていません。

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この記事で解決しないこと

  • 工法の選定は建物の下地・形状・劣化状況によって専門家が判断するものです。この記事はどの工法が適切かを判定するものではありません。
  • 歩掛り(人工)データは公共建築工事の積算基準に基づくもので、アスファルト防水・シーリングのみ収録されています。ウレタン塗膜防水・シート防水・FRP防水の歩掛りは同資料に記載がなく、この記事でも数値は示していません。
  • 歩掛りは施工に必要な手間の目安であり、材料費・諸経費を含む工事費そのものではありません。

参照した資料

一次資料 公共建築工事積算研究会「参考歩掛り」第2編 建築工事 第9節 防水 (RA-9-1〜RA-9-9(PDF 30〜34ページ))

この記事のトピック 屋上防水工法アスファルト防水ウレタン防水

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